人に教えるということ |
2011/12/20(Tue)
|
よく「お仕事は?」と聞かれ「人形を作っていて、教室を開いて教えている」というと「趣味のことで収入が入って楽しそう」と言われることがあります。
でも学校の先生に比べたらずっと楽かもしれませんが、人形を人に教えるのは思ったほど楽ではありませんし、経費を引いたら収入なんて大した額ではありません。 特にカルチャーなどは3ヶ月一括払いの形をとっているため、3ヶ月や半年ごとに来なくなってしまう生徒さんが良くいらっしゃいます。 もうすぐ出来上がるのに。次はこういうのを作りたいと言っていたのに…何か私、嫌なことを言ってしまったんだろうか? と悩むこともしばしば。 義務教育でも何でもないので、今のご時世で生活が優先したら一番先に削られるのは趣味のこと。 人形1体や2体出来上がったところで、教室をすぐ開けるわけではないし資格がもらえてすぐ仕事に結びつくわけでもない。 でも、それでも私が教室を続けている理由は「やっぱり人形が好きだから。一緒に語り合い、作れる仲間がほしいから」です。 …これしか取り得が無いってこともありますが(^^;) 自分が何年もかかって回り道して会得した技術を教えるということは、もしかしたら手間隙かけて自分の存在を脅かすライバルを育ててしまうのかもしれない。 実際、弟子が先生を超えてしまうのを嫌がって教室をやめてしまった作家もいます。 でも人間はそうやって昔から伝承することで技術や文化を残してきたのですよね。 人形など確かに教室に通わなくても本やインターネットで調べればちょっと器用な人ならいくらでも作れます。 人形教室の役割はそれでは何?と考えると、それは技術を教えることだけではない。 1人で作っていたってつまらないじゃない。一緒に作りましょう。 仲間を見つけて楽しく好きなことを一緒にやって、日ごろのストレス発散の場所にしてください。 居心地良く作品を作れる憩いの場であり、いずれはそこから素晴らしい作品を生み出す作家が生まれてほしい。 そういうものを目指していきたいです。 |
| メイン |