人形教室の その先11
サッカー人形公募展の審査員は引き受けたものの、作品は集まるのか?というのが一番の心配でした。
人形作る人はスポーツ苦手な人が多いというのが私の見解なので、サッカーなんて興味なさそうだし・・・。

主催者側に「どうやって作品集めるつもりですか?」と聞いたら「チラシとポスターを市内の駅や公共施設に置いたり・・・」
「会場にはどのぐらい並べる予定ですか?」「200体まで置けるように配置図を用意しています。応募した方は全員飾らせていただく予定です」
ちょっと楽観視しすぎ。200体は絶対無理だろう・・・せいぜい集まっても50ぐらいと思う。
全部飾っても会場埋まらないかも。
案の定、ポスターを駅に貼っても「応募用紙の申し込みが2件しかありません~」とイベントの運営担当者に泣きつかれました(+_+)

私もなるべく協力することにして人形教室に応募要項を持って行ったりお知り合いの人形作家さんにもお弟子さんに出していただくように頼んだりしましたが、皆さん口をそろえて「サッカー人形ねぇ・・・一応声かけてみるけど、集まらないと思うよ~」でした。
ここで助けになったのはインターネット。
人形関係のホームページや人形の検索サイトにも応募の呼びかけをし、最終的には60体あまりの作品が集まりました。
とりあえず、これなら形になるだろう・・・ほっ。

私も「作品作ってください」と言われて、初めてこんな筋骨隆々のサッカー人形を作りました。

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その年は日本が初めてワールドカップに出場することになり、大方の予想は「予選落ち」だったので最初世間は全く盛り上がっていませんでした。
でも日本選手がずいぶん健闘したおかげでベスト16まで進出して、サポーター達も盛り上がり最終的にはこのイベントは大成功でしたが「もっと前から世間が関心を寄せてくれていたら良かったのにね」と関係者同士で話していました。


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W杯がテーマの人形展という事で、マスメディアの取材も多かった展覧会でした。(記事は神奈川新聞)

主な取材メディア:NHKテレビ、神奈川TV、毎日新聞、読売新聞、神奈川新聞、東京新聞、サンケイ新聞 海外:ドイツ、韓国、ブラジル各TV局など



そして、この手作り人形展がきっかけで翌年に1ヶ月間、横浜人形の家協賛の展覧会を開かせていただくことになりました。
人形教室の その先10
「人形展の審査員を頼みたい」とオファーが来たのは横浜市中区にある人形博物館の「横浜人形の家」からでした。
趣旨は、2002年にサッカーのワールドカップが横浜で開催されることになり、日本も初出場ということで横浜市をあげてサポーターになりたい。
横浜人形の家もその一貫として、サッカー人形の展覧会を開いてサッカーに関係する人形を募集し、優秀作品には賞も設定したい。
そこで私に審査員をして欲しいということでした。

いやはや光栄な話ですが、しかし何でサッカーのサの字も知らない私にそんな話がーー??
そんな有名人形作家でもないのに…(@_@)
しかもサッカー人形の公募??なんやらチンプンカンプン。
自分なりの解釈として、神奈川県にはそんなに人形作家は多くない。
鎌倉からなら横浜まで交通費もそんなにかからないし、大御所作家では断られるかもしれないからここら辺で手を打とう。
みたいな意味合いなのかなーーー??

審査員は当時の横浜人形の家館長だった兼高かおるさんと、Jリーグ横浜マリノスの関係者と私。
後援は横浜コンベンションビューロー(横浜観光協会)
サッカーを全く知らなかったので、ワールドカップの決勝が横浜と言われてもピンと来ませんでした。

兼高かおるさんは若い方はご存知ないでしょうが、私が子供の頃テレビで「兼高かおる世界の旅」という旅番組で世界中をレポートして回られていた方です。
毎週日曜の朝にやっていて、私もファンでした。
その方にお会いできるなら・・・と少々ミーハー気分で承諾しました。
ちらしが出来上がり、兼高さんのお隣に私の写真が載っているのを見て、これは凄いことなんだとやっと理解できましたが、ここで第一の不安。

「作品集まるんだろうか・・・?」

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人形教室の その先9
プランタン人形展のあと、少しずつお話を貰えるようになりました。
ある雑誌に作品を載せた縁でオーストラリアの展覧会の話をもらい、参加費用がかかるけれど海外旅行に行かれない自分の代わりに人形に行ってもらおうと思って貯金をはたいて送り出したら、奨励賞をいただいてしまい、それがまた少し私に勇気をくれました。
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その頃鎌倉駅と北鎌倉駅のちょうど中間に「てらむ」という名前のちょっとおしゃれな雑貨屋さんがありました。
作家ものの陶器や草木染のスカーフ、アクセサリーやインテリアなどがセンス良く並べてあり、私が名前を知っている作家さんの創作人形も置いてありました。

ある日勇気を出して飛び込みで「人形を作っているのですが、置いていただけないでしょうか」と作品の写真を持って行きました。
店主は上品で素敵なご夫婦で丁寧に話を聞いてくれ「売れるかわかりませんが置いてよいですよ」と承諾してくれました。
嬉しくてホームページや、いろんなお友達に宣伝しまくったのを憶えています。
「てらむ」は残念ながら、ご主人がご病気になってその後3年ほどで閉店してしまいました。
でもそこに少しの間でしたが人形を置かせてもらったことが、偶然にまたその後の私の人形人生を変えました。

前にお教室の生徒さんに「チャンスの女神は前髪しかなくて、後ろは禿げてるんですって。前髪をつかめなかったら追いかけても無駄なんだって」と教えてもらったことがありますが、そうなんだろうなーと思います。
「やりたい!やろう!」と思い立った時が吉日なのでしょうね。


前の話の続きです。
「てらむ」に人形を置いてもらって1ヶ月ぐらいしたある日、お店から突然電話をもらいました。
人形が売れたのか?と思ったら違いました。
「あなたに人形展の審査員を頼みたいという話が来ている」と言われました。
人形教室の その先8
「人形展の出展者募集」と書いてあったのはDOLL CIRCUSという人形の検索サイトでした。
ちなみに今はその検索サイトはありません・・・時代は少しずつ変化していくのを感じます。

会場はプランタン銀座でした。デパート展示ということは販売をしなくちゃいけない。
しかも締め切りは明日。
私の人形が売れるかどうかとか、悩んでる暇ない。とにかく人形を発表したい。
ダメもとで「プランタン銀座の人形展に参加したいのですが、まだ受け付けているでしょうか」と主催の会社にメールしてみました。
そうしたら、次の日外出から帰ってきたら留守番電話が点滅していました。
「こちら、プランタン銀座の創作人形展の担当のものですが、メールありがとうございました。時間がないので渡邊萠さんのお名前DMに入れておきますねー。」と入っていました。

ええええーーーーっ!!!!
・・・・というわけで、プランタン銀座人形展の参加が決まりました(@_@)
2000年の秋のことです。

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担当の方はワタナベさんというお名前で、全く面識はありませんでしたが元々ホームページや「クラフトアート人形」で私の名前や人形はご存知だったようです。
とにかく他の作家さんと一緒に銀座に展示できたことや、遠くから見に来てくれたお友達が励ましてくれたことが何より嬉しかったです。

でも、インターネットで人形展のデパート展示出展者を広く募集するのはかなり珍しいことで、後にも先にも私はこれしか見たことがありません。
「もう人形やめたい」・・・と思うと、いつもどこかで誰かが助けてくれて「また続けよう」と思い直す。
今までずっとその繰り返しだったような気がします。


そしてデパート展示の後にまた少しやる気が出て、自分でも少し営業をやってみようかと思い立ち、ある日鎌倉にある人形を置いてあるお店を訪ねてみました。
人形教室の その先7
1999年の11月に二度目の個展をした後、中古のパソコンを貰い受けたことでインターネットを始めました。
それまで人形関係は限られた人しかおつきあいが無かったのが、インターネットを通して一気に世界が広がったことが、私にとって驚きと喜びの連続でした。
パソコンの知識もネットの知識も全く無いに等しかったのに、いろんな方が人形のホームページを作っているのを見て「よし、私も自分のホームページを作ろう!」と単純に考えてしまうのが浅はかなんですが…。
思い立ったら止められないという、この性格が良い面でも悪い面でも災いしてますねー。

パソコン教室に通う時間もお金もなかったので(というか、早く作りたかったので)ホームページ作成ソフトと参考書を買ってきて、ネットが繋がった次の日から本とのにらめっこで作り始めました。
どうしても今年中に形にしたいという思いで、人形の写真は撮りためてあったので(当時はデジカメがまだ高価で持っていませんでした)プリント写真をスキャナーしながら画像を貼り付けていく仕事を毎日朝から晩までしていました。
そして1999年の12月30日に、ものすごくシンプルなものでしたがホームページらしきものができ上がりました。
扉の一番下にAll rights are reserved by Moe Watanabe. since1999.12.30と書いてありますが、2016年にお教室ホームページと
統合してURLは変わりましたが、ほとんどの軸は変わっていません。
http://artcommunity.kula-ladoll.com/moondoll.html

「掲示板をつけるとみんなが書き込んでくれるよ」と教えてもらい、いろんなサイトを訪問して掲示板やチャットにお互い書き込み、ネットの友人がたくさんできました。
お互いをHNで呼び合い仲良くなった気でいましたが、しかしネットの世界と現実世界は全然違うのだと段々気づき・・・些細なことで喧嘩になったりして、数ヶ月で掲示板をはずしてしまいました。
反映や反響がすぐに出てしまうインターネットの世界では、文章の未熟さや言葉の足りなさが人を深く傷つけてしまったり、気持ちのすれ違いが起こってしまうことを身をもって知りました。

人形関係の友人とも気まずくなってしまい、しばらく人形もネットもやめて引きこもっていたこともありましたが、やっぱり人形が忘れられない。作りたい。発表したい。
そう思っていたとき、あるサイトで「人形展の出展者募集」の告知を見つけました。
プロフィール

kulaladoll

Author:kulaladoll
人形作家:神奈川県在住。創作活動の傍ら鎌倉と川崎で人形教室を開いています。

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